多汗症についての基礎知識を知っておきましょう。
1. 皮脂腺:毛穴に出口をもち、毛包に付随して存在する皮脂の分泌腺です。分泌には男性ホルモンが関与しています。
2. エクリン汗腺:真皮深層に存在し、皮膚表面に直接出口をもつ腺で、大量の水を分泌します。いわゆる「汗」とは、ここから出るものを指します。成分の99%は水で、少量の塩分等を含みます。分泌には自律神経(コリン作動性)が関与しています。
3. アポクリン汗腺:皮下脂肪織上層に存在し、毛穴に出口を持つ腺です。ほ乳類の芳香腺(フェロモン作用と縄張りを示す効果のある匂いを出す腺)が退化したものと考えられています。分泌には自律神経が関与しています。

エクリン汗腺からの発汗により、腋窩の皮膚は湿った状態となり、細菌(特に黄色ブドウ球菌)が繁殖します。ここに、毛穴を通じて皮脂腺とアポクリン汗腺から分泌液が出てきます。すると、この分泌液中の脂質を細菌が分解し、臭いのもととなる低級脂肪酸(カプロン酸等)が作られます。これがエクリン汗腺からの汗の水分に溶かされ蒸発し、臭いが周囲に拡散していわゆる「ワキガ」の状態に至ります。
夏季に腋臭が強くなるのは、エクリン汗腺からの発汗が多いため、腋窩が湿潤化して細菌が増殖しやすくなり、臭いの成分が多量に産生されるためです。